「だから、そういうんじゃ……」




「ないわけねえだろ。



溺愛してるコタロウに並ぶ女なんて、



世界中さがしてもその女子高生だけだろ。



ってことはさ、最近よくスーツ着てるけど、



それも見合いが関係してるわけ? 



まさか九条ホールディングスの跡取り息子が、



就職活動なんてするはずないだろうし」





「色々あんだよ」





言ってるそばから溜息がもれる。




「それより、お前、高坂と噂になってるぞ。



あいつ、玉の輿狙いでお前にターゲット絞ってるから、



気を付けた方がよくね?」




「どうでもいいよ、そんなの。正直、それどころじゃない」




はあ。ホント、なんでこんなことになってんだろうな。