眩しい光とともに、視界にとびこんできたのは美しい日本庭園。




白くうねる砂利道に沿って水仙が咲き乱れて、



濃い影をつくりだす樹木の奥には



趣のある東屋が姿をのぞかせている。




うん、気持ちがいい!




穏やかな春の庭園をぐるりと見まわして、



ぴたりと動きを止める。




小さな池にかかる太鼓橋。




そこに佇むその人を見つけた瞬間、



音が消えて風がやみ、



時間の流れが止まった気がした。




美しい景色に溶け込むような、すらりとした立ち姿。




どこか懐かしいその端正な顔立ちに、



ぎゅっと心がつかまれる。




じっとその人を見つめていると、ぱっと目が合った。




「彩梅、そろそろ時間だから、なかに入って」




お母さんの声に、ふわりと袖を翻し、母屋にもどった。