飼い犬は猛犬でした。



「あっ、天音……です……」
「よかったらまた来ても「颯太!」


 反応に困っていると、涼輔くんの声が聞こえてきた。

「お前何口説いてんだよ。この人は俺のだから譲らねぇよ」
「別にそういうんじゃ……って、涼輔には彼女がいるんだろ?!」
「はぁ……? お前何言ってんだよ、それは…………」


 涼輔くんはハッと何かに気付いたように口元に手を当てて黙り込んだ。


 危ない……もう少しで言いかけるところだったよね……?

「この人は俺の推しだった人だからな!? 俺は、その……同担拒否っつーか……」
「何意味分からない事言っているんだ……こここに来るのは初めてだって言ってたじゃないか……」


 涼輔くんは何も言えなくなったのか、ついに黙り込んでしまった。