飼い犬は猛犬でした。


 いった……! ――じゃなくて! どうしよう、お客様に……


 目を開くと、そこには響くんの姿が……



「…………っ!」



 真っ白な制服のシャツにはアイスティーがかかったシミができている。


「大丈夫、ですか?」

 わたしと同じく固まっていた響くんも、倒れ込んだわたしに手を差し伸べてくれた。

「ありがとうございます……大変申し訳ございませんでした……! 弁償させてください」
「大丈夫ですよ、このくらい。洗ったらきっと取れると思います」


 洗ったら取れるとしても……ここから家まで帰るのに……そんな申し訳ないままでいられない。

 わたしは近くにあったおしぼりを手に取り、響くんのシャツのシミを取ろうと近寄る。


「じっとしててくださいね、これで少しはマシになると思うので……」


 しばらく拭いていると、少しはシミも薄れてきて、遠くからだと分からないレベルにまでは落ち着いてきた、と思う……。