飼い犬は猛犬でした。


「天音先輩ーっ、ちょっと忙しくなってきたので3番テーブルお願い出来ますか……?」

 3番テーブル、涼輔くんのとこだ……これ以上私情で後輩ちゃんに迷惑かけて困らせる訳にはいかない。

「うん、運んでくるね」

 そして私はアイスコーヒーが2つ乗ったトレーを涼輔くんの元へと運んだ。


「お待たせ致しました。アイスコーヒーです」
「ああ、ありがとうございます」

 響くんは笑顔でアイスコーヒーを受け取る。

 笑顔が怖い……これは、私だった気付いているの……? それとも……

「何かありましたらまたお呼びくださいね、ご主人様」

 わたしはそそくさとカウンターへと帰り、出来上がったアイスティーをトレーに乗せる。

 そして次のテーブルは……っと

 角を曲がろうとした時、何かがぶつかる衝撃で床に尻もちをつく。