「……で? 慰謝料払えんってどーいうことや?」


「わたし達はただのバイトですので、勝手にお客様にお金を渡すことができません。後日、店長に「んな事は聞いてないんや!!」


 赤髪の男がわたしの言葉を遮るように怒鳴り、壁を強く蹴る。


「……ッ!」
「怖い思いしたくないよなぁ? だったらどうするか……わかるよね?」


 どうして……どうしてこんな目にあわなきゃいけないの。

 こんな人達に払うお金なんて……





 ――そう歯を食いしばった瞬間







「おい、離せ」






 声のした方に振り返ると、知らない男の人が立っていた。