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せっかく涼輔くんが話しかけてくれたのに……何も返せなかった……
それどころか、逃げるようなことして……本当に最低だ。
「ちょっと! 涼香!」
後ろから呼び止められ振り返ると、息を切らしたイオがいた。
わざわざ追いかけてきてくれたの……?
「保健室行くなんて嘘じゃん、どうしたのよ一体……」
明らかに保健室とは真逆の中庭で呼び止められ、もう誤魔化すことはできなさそう。
「ごめん……あのね」
「涼香の気になる人って、涼輔クンでしょ……?」
イオは真剣な表情で問いかけてきた。
勘の鋭いイオには全部お見通しだった、ってわけか……


