「どうして……あの、ずっと、ファンでした……」
「んえ、マジっすか。ありがとうございます」
腰を抜かしたイオに若干驚きながらも、涼輔くんはにこりと微笑んだ。
「どうしていきなり挨拶なんて……」
「先輩のこと見つけたんで思わずっつーか……」
「えっ?! 涼香あんたいつから涼輔クンと知り合いだったのよ!!!」
女の子とイオから向けられる視線にいたたまれない気持ちになる。
「涼輔君、そろそろご飯食べませんか?」
痺れを切らしたように、隣にいた女の子が涼輔くんの腕を少しだけ引っ張った。
「あのさ、そろそろ離れ「イオ、わたし少し具合悪いから保健室行くね……」
もう、何も見たくない。
そう思ってわたしはその場を逃げるように後にした。


