「そうだ、明日からテスト期間1週間前に入るでしょ？　だからしばらくこのバイトはおやすみになるんだよね」
「んえ？！　そうなんスか……？　じゃあしばらく会っても話せねぇって事っスか？！　冗談じゃねぇっスよ……」

　分かりやすく頭を抱えて落胆する涼輔くん。お店だけじゃなくて学校でも話すことはできないのかな……？

　もしかして、わたしに遠慮して……？


「学校でも、話しかけてくれたら嬉しいな……」
「いいんすか……？　俺なんかが話しかけて……」

　”俺なんかが”って涼輔くんは言うけど、それはわたしのセリフなんだよ……

　涼輔くんは学校の女の子から人気で、話しかけることどころか……目を合わせることすら困難だと思うし。


「うん、楽しみに待ってるね」


　そう言って微笑んでみると、涼輔くんは満面の笑みで頷いてくれた。