次の日の朝。

あの子が来る前に。

なんか気をひけるものはないかな。


ぼーっとそんなことを考えていた俺の目に、
菜の花がたくさん咲いているのが見えた。

これだ!

こんな感じだったかな?

作り慣れねぇから綺麗ではないかもしれないけど、出来はいい方だと思う。

よし。


手作りの花の冠を木の下に置いておく。

気づくといいな。



…タッタッタッ


しばらくして、彼女の足音が聞こえた。

気づくかな?


近づいてくる足音。


緊張する…。

って!

女か俺は!

…タッタッタッ

走って行く彼女の後ろ姿が見えた。

気づかなかったかな…

花の冠を置いたそこを見ると、






ない




なくなってる






気づいてくれたんだと嬉しく思う反面、

やっぱり怖いかな、俺って…