「やっぱりそうなのね…美春、心配しすぎる所あるから帰ってきちゃったのね。」


そう言ってお母さんは優しくほほ笑む。


え、信じるんだ。


「信じてくれるんですね、俺の言葉。」


「信じるわよ。私もそう思うもの。美春が康太くんを呼んでくれたんでしょ?」


康太は私を1度見て小さく頷いた。


「美春、すごい必死でおばさんの事呼んでました。」


「ふふ、怖かったでしょうね。初めてじゃないかしらこんな体験。」


そう言ってお母さんはくすくす笑う。


お母さん、笑い事じゃないんですけど…


凄く本当に怖かったんだから!


その時ガラッと病室のドアが開いた。


そこに立っていたのは私の担当医だった先生だった。


優しくて、患者さんへの思いやりに溢れた先生だった。


まだ20代で歳が近いのもあって私のお兄ちゃん的存在で憧れだった。


康太は何故か敵視してたんだよね


勝手に嫉妬してくれてたんだと解釈してる。