「美春も座れよ。」


そう言って横をぽんぽんたたく。


私は頷き、康太の横に腰をかける。


「ねぇ康太。こんなに怖いんだね。周りの人って。病気になっていた方だったから今まで知らなかった。」


「美春が中学の時救急車で運ばれた時はやばかったな。なんも出来なくて悔しいとか怖いとか感情ぐじゃぐじゃで。お前のお母さんもすごい取り乱してたよ。」


「そっか…ごめんね。」


「美春、救急車の中で自分は苦しいのに俺とおばさんにごめんねって笑ってたんだよ。美春が1番怖いのに人に気遣って…その時思ったんだよ。美春はいったいいつまで俺らに本音を言わないんだろう?って。」


「え?本音?」


「今回美春が戻ってきたのも俺の事を心配してくれたからだろ?それで今の美春は何か思ってることがある。でもそれを言ったら俺が前に進めないから言わないんだろ?」


私は自分の心を見透かされたようで何も言えず黙ってしまう。


「それは…」


「美春、俺もお前の笑顔が見たいんだ。見れないのは俺のせいだとわかってるけど…」