「おばさんがどうした!?」


「倒れて…目を開けてくれないの…どしたらいい?お母さん…お母さんまで死んじゃうの?」


ポロポロ涙が目からこぼれる。


「大丈夫だ、大丈夫だから心配すんな。」


康太は私をまっすぐ見つめ、リビングに戻って鍵を持ってまた私の元に来た。


「母さん、美春の家の鍵持ってんだよ。美春が入院した時に何かあった時の為にな。」


私に鍵を見せて行くぞと言い、玄関に走って向かった。


康太が鍵を開けてお母さんの元へ駆け寄る。


「おばさん!おばさん!ダメだ、救急車呼ばないと…」


さっきよりも顔色が悪くなってる気がする。


なんで気づかなかったんだろ…


お母さんは私をずっと励ましてくれてそばにいてくれたのに…


こっちの世界に戻ってきて会った時お母さんは凄く痩せていた。


なんで、あの時気づいてあげられなかったんだろ…私のせいだ。


私が病気になって、死んだりなんかしたから…


「美春!しっかりしろ。大丈夫だ、救急車も呼んだ。俺もいる、おばさん息はしてるし大丈夫だから!」


私が右手で左手を握りしめているとその上から康太は両手で包んでくれた。


触れられないはずなのに、何故かあたたかい。


入院中泣いてた日々もこうしてくれて、康太はいつも私に"大丈夫"をくれた。


それは嘘でも強がりでもない、本当の"大丈夫"。