あ、雰囲気全体が良くなりつつある…


「あ、それから…」


そう言って真穂は沙耶ちゃんに近づいた。


「沙耶、右足痛めてるでしょ。さっきからかばってるよね?」


すると、沙耶ちゃんは驚きの表情をする。


「痛かったら我慢しなくていいんだよ。怪我するってことは頑張って練習してるってことでしょ?」


「でも、みんなの練習に迷惑かけるから…」


と申し訳なさそうに言う。


「大丈夫だよ、そのフォローするための実行委員だよ。それより怪我して痛いのを治す方が今は先でしょ?」


そう言われた沙耶ちゃんはこくんと頷いた。


「康太、沙耶を保健室に連れていくから練習再開しといてね。もう心配事はないでしょ?」


康太は真穂の言葉に頷く。


あ、もしかして急に休憩しようって言ったのは沙耶ちゃんを休ませようとしたから?


沙耶ちゃんに言っても多分沙耶ちゃんは気にして休もうとしない。


クラスに迷惑かけるからとさっきのように言うだろう。