なんとなくだが、右足の足の付け方に違和感がある。


右足を庇うように歩き、微妙に笑顔が歪んで見える。


結構痛いんじゃないかな？


みんなに迷惑かけるから我慢してるんだよね？多分。


康太に言ってやすんでもらわないと！


そう思った時、康太がみんなに向かって大きな声で言った。


｢リレー練習少し休もう。午後からの練習もあるし。｣


康太がそう言うとクラスの男子は反発した。


｢いやいや。まだ少ししかやってねぇじゃん。リレー練習ってあんま出来ねえんだからやんないと。｣


｢そんなに焦って練習しても仕方ねえだろ。まだ時間はあるんだから…｣


康太がそう答えると、男子は鼻で笑った。


｢そっか、お前やりたくもない実行委員やって適当に終わらせようとしてんだろ。楽するために｣


それを聞いた大津くんは康太の前に出る。


｢そんなわけないだろ、康太はやりたく無かったけどやると決めて頑張ってくれてんだよ！勝手なこと言うな！｣


大津くんがそう言って怒るとクラスメイト全体が静かになる。


大津くんが怒ってるの初めて見た…


｢でも事実だろ。じゃないと時間無いのに少し練習しただけで休もうなんて言わないだろ。｣


確かに、さっき水分補給の休憩をしたばっかりでバトン渡しの練習しただけ。


それで休もうなんて…クラスメイトが納得する訳ない。


｢だからってそんな事…｣


大津くんが言い返そうとした時康太は大津くんの肩にポンと手を置いた。


｢もういいよ、冬樹。俺が悪いから。｣