真穂がくれたこのチャンスで何とかしたいのに…


私にできることって何なんだろ…


私がもし生きていたら他の人に康太は悪くないと言うことも出来る。


康太のサポートをすることも出来る。


だけど…この幽霊の状態じゃどう私は康太の力になったらいいか全然分からない。


そんな弱音を言ってる暇はないことは分かっている。


康太の為に戻ってきた。


康太の笑顔を取り戻す為に私はここにいる。


どんな事があっても頑張らないといけないんだ。


「康太、今日のうちのクラスの予定はどうなってんの?」


大津くんが康太の右肩に手を置きながら聞く。


康太はひとつため息をついてポケットから紙を出した。

「お前さ俺ばっかりに頼るなよ」


康太は呆れ顔で紙を見ながら言う。


「だって俺話聞いてなかったからさー」


ごめんな?と両手を合わせながらニコニコする大津くん。


それは悪いと思ってない顔だ…


康太もそう思っているようで大津くんをジロっと睨んだ。


「今日は午前中はリレーの練習だなぁ。その後は各種目で練習。俺らは応援団の打ち合わせがあるな…」


「おぉ、まじか。今日もハードだな〜さすが誰もなりたくない体育祭実行委員!」


「よくなりたくない実行委員に俺となろうと思ったな。」


それを聞くと大津くんは大きな声で笑った。


「何言ってんだよ、康太がやるからなったんだよ。康太と俺は親友だろ?」