ねぇ康太。


私はもう一度康太のキラキラした笑顔が見たいよ。


そんなくらい顔じゃなくて。


先生からの説明が終わり黒板一面に種目の名前が書かれ、その下にはクラスメイトの名前が記入されていた。


康太はリレーと障害物競走に出るようだ。


だいたいの種目決めが終わり先生は目に炎が見えるほど気合いが入っていた。


「今年は絶対優勝するぞ!実行委員を中心に練習に励んでくれ!」


「康太、頑張ろうな!」


前から2番目にいる康太の列の1番後ろから大津くんは声をかける。


康太はちらっと大津くんの方を見て不機嫌そうにまた前を見た。


康太、大津くんせっかく声掛けてくれたのに…


返さなきゃだよ?


周りも感じが悪いと言わんばかりの康太への視線を感じる。


康太、前までは人気者だったのに。


こんな空気になること、康太の周りでは無かった。


変えなきゃいけない。


せっかく戻ってきたのなら、この状況を変えるべきだ。


そしてそれを出来るのはきっと私だけ。


康太がこんな風になってしまった原因の私だけなんだ。


真穂がくれたチャンス絶対に無駄にはしない。


頑張らなきゃ。