「康太、今日は珍しく部活真面目だねー、いっつも心ここにあらずって感じで適当なのに…」


珍しく?


そんなはずはない。


康太はふざけるとこもあるが、サッカーに関した事は真剣だった。


サッカーが大好きで、大切。


だから、練習も本気で絶対手を抜かない。


それが康太だ。


「康太はいつも真面目なはずだけど…サッカーに関しては特に…」


私がそう言うと、真穂は何かに気づいたように気まずそうな顔をした。


その顔からしてなんとなく予想はついた。


「もしかして、私が死んでからなにかあったの?」


私が聞くと、真穂は口を黙って外の康太を見た。


言うか言わないか悩んでいるようだった。


そして、私へ視線を戻した。


「康太ね、その…美春がいなくなったあと…見ていられないくらいになって…」


そうゆっくり康太の事を話す真穂の表情は苦しそうで、当時の康太の様子が痛いほど分かった。


真穂が言うには、私がいなくなった後の康太はどんどん弱っていったらしい。


以前のような明るさは消えて、"康太だけど康太じゃない"そんな感じだったようで…


口数は減り、笑顔も消え…


何にもやる気がでないという感じで。


サッカー部も休みがちになっていたらしい。