康太は、いつだって私のヒーローで憧れだった。


周りにはいつも誰かいて、みんなを笑顔にさせる。


それが康太だった。


例えるなら…太陽と向日葵が足された感じ?


ちょっと変な例えだけれど…とにかく私にとって最強の人だった。


私の1歩前を進みつつ、絶対私を置いていかない。


優しい康太。


そんな康太だから私は好きになった。


康太はもう覚えてないと思うけど、私が病気だと分かった日に一緒に泣いてくれたよね。


周りの大人は、私を見て悲しい顔をした。


それでも、私に悪いと思ったのか涙を見せる人は誰もいなくて…涙を我慢した顔しか見せなかった。


そして


ただ、一言。


"大丈夫"


それだけしか言わなかった。


大丈夫じゃないことなんてその顔を見ればすぐわかるのに…


その大丈夫じゃない大丈夫は、私に泣いてはいけないと縛りをつけているように感じた。


そんな時、康太が泣きながら言ったんだ。


"なんでお前泣かないんだよ、平気な振りすんなよ"って。


泣きたいときには泣いていい、我慢しなくていい、病気になって辛くない人なんかいないんだからって言ってくれた。


あの日のことは、絶対忘れない。


私の心を救ってくれた康太。


今度は、私が康太の力になりたいんだよ。