私の生きてる時の最後の記憶は、お母さんの泣き顔と、君の目に涙がいっぱい溜まって必死に何かを叫んでいる顔だ。


あぁ、答えなきゃと思ってももう体は自由に動かない。


深い深い闇に引きずり込まれるように瞼が落ちてくる。


怖い?


寂しい?


悲しい?


どの感情でもなかった。


だんだん小さくなる視界を感じながらたったひとつのことを思っていた。


"ありがとう"


それだけ思い続けていた。


私は高校3年の夏になる前、天国へ旅立った、、はずだった。


天国へは旅立とうとしたんだけど、目をつぶった後もずっと君は泣いていた。


私の名前をずっと呼んでいる。


小さい頃から何度も呼ばれてきたけど、こんなに悲しい声を聞いたのは初めて。


そんなに泣かないでよ、私は後悔なんてしてないよ、大丈夫だよ。


そう思っても、君には届かなくて…


どうやったら届く??