でも、近くに居すぎてもはや家族だもんな。


「それにしても失礼でしょ!」


やっぱりムカつくからベッド占領してやろ。


康太のベッドにダイブすればふんわりと石けんの匂いがした。


これ、康太の匂いだ。


サッカー部で汗だくになって練習した後でも康太はいい匂いがした。


汗臭いなんて1度も思ったことない。


それは、周りの女子もそうで…


だから、余計にモテたんだけど。


ベッドの上のコルクボードにはたくさんの写真がはられている。


サッカー部での写真。


プリンとの写真。


中学の卒業式の写真。


…そして、私との写真。


飾ってくれてるんだ、これ。


私の部屋に飾ってある写真だ。


その隣には…私が入院している時に撮った写真。


これもはってくれてる。


これを撮った後…1ヶ月後くらいだよね、私が危篤状態になったのって…


これを撮った時にはもう呼吸器をつけていて腕には点滴がついている。


でも、私は我ながらキラキラした笑顔だった。


私の横にいる康太も思いっきり笑った顔だ。


今の康太とは全く違う笑い方で…すこし胸がきゅっとなった。