後ろから来た涼子が笑いながら康太に手を差し伸べた。


やっぱり涼子ちゃんは私が見えていないようで私の方を全く見ることがなかった。



「大丈夫?お兄ちゃん帰り遅かったね。」


康太は涼子ちゃんの手を掴みながら立つ。


「あぁ、まぁな。」



「美春ちゃんの所?」



「まぁ、そんな感じ。」


と言って康太は涼子ちゃんの前を通り過ぎて自分の部屋に向かったようだった。


私はその康太の後ろを急いでついて行った。



康太は部屋に着くとバックを床に乱雑に置き、ブレザーを脱いだ。


そして、ネクタイをはずしてカッターシャツのボタンをはずそうとして…



まさか、この人着替えようとしてます!?



「ちょ、ちょっと!康太、私いるんですけど!」


「あ?別に幼なじみだからいいだろ。」


「幼なじみでもわたし高校3年の女子なんですけど!?」


「はいはい、すみませんね〜、じゃあ俺風呂はいって来るからゆっくりしてて」


そう言って、康太は部屋から出ていった。


全く、私のこと本当に女子って思ってないんだなぁ。


なんかショックなんですけど。