太陽がギラギラしていて今日も暑くなるのだとげんなりする。


「美春、少しはこの太陽どうにかしてくんねーかなー…お前空にいるんだから俺に嫌がらせすんなよ、暑いの嫌いなんだよ…」


そうやってお墓に呟く。


お墓には東堂美春と刻まれている。


体育祭の日、お前がいなくなってたくさんの季節が過ぎ去った。


あの日、最期の唇のぬくもりと大好きという言葉を残して消えた美春。


正直ずるいと思う。


「美春、俺には好きだなんて言わせてくれなかったくせに。」


線香の香りに包まれながら手を合わせ小さい声で言う。


「何?独り言?独り言にしては多すぎて怖いんだけど。」


そう言う声の主の方を見る。


そこには水色のストライプのシャツにグレーのズボンを履いた黒髪の女の人。


「なんだよ竹中、いいだろ別に美春に話しかけてんだよ。」