私が退院して定期検診に行ってまたすぐ入院しないといけなくなった日、私は病院から脱走した。


周りの人を困らせてると分かっていてもなんで私だけがこんな思いをしないといけないのか憤りを感じていたんだ。


それを何とかして表に出したくて気づけば病院から飛び出していた。


でも、家には帰れないしお金もってないからどこにも行けなかった。


そしてたどり着いたのがこの海。


砂浜に座って泣いていると康太が迎えに来てくれて静かに手を握ってくれていた。


"美春、風邪ひいたらダメだから帰ろう"


そう言って私の手をひいてくれてた。


どんなことがあっても私がいなくなれば康太は探して見つけて手を引っ張ってくれた。


帰ろうって言ってくれた。