冷たい彼と新婚ごっこ♡

その後、一緒に家を出て登校した私たち。


だけど、葉月くんは思いのほか歩くのが早くて、気が付けばスタスタと先へ行ってしまうものだから、ついていくのが大変で。


背が低くて歩幅も狭い私は、彼においていかれないようにと必死で早歩きしていた。


すると、5分ほど歩いたところで、葉月くんが立ち止まり、こちらを振り返る。


「歩くのおっそ」


うぅ、やっぱり気づいてたんだ。


「ご、ごめんねっ。私歩くの遅いから、葉月くん先に行ってても大丈夫だよ」


私がそう告げると、葉月くんは呆れたようにはぁっとため息を吐き出し、スタスタと私のほうまで歩み寄ってくる。


「そしたらみんなに見せつけられないだろ」


「えっ……」


なにそれ。みんなに見せつける?


そして、次の瞬間なぜか私の手を取ったかと思うと、突然ギュッと繋いできて。


「いいから行くぞ」


「……あっ、はいっ」