――ジリリリリ……。


朝、目覚ましの音で目を覚ますと、なんだか少し体が重たかった。


「ん……あれ?」


耳元で聞こえる寝息にハッとして、パチッと目を開ける。


ちょ、ちょっと待って。なんか変。


これってもしかして……。


寝転んだままおそるおそる後ろを振り向くと、なんと、すぐ後ろに葉月くんの顔があって。


「ひゃあっ!」


重たいなと思った体の上には、彼の腕がのっかっている。


よく見たらまるで彼にうしろからハグされているかのような体勢になっていて、ドキッと思いきり心臓飛び跳ねた。


ウソでしょ。なんでこんなことになってるの?


葉月くん、もしかして寝ぼけて抱き枕か何かと間違えたとか?


彼は無意識でやってるんだとしても、私はこんなふうに男の子に触れられること自体が初めてなので、恥ずかしさと照れくささで半分パニック状態だ。


とてもじゃないけどそのまま彼の腕の中でじっとしていられそうではなかったので、そっと腕を抜け出し、ベッドに腰掛けた。