「それじゃおやすみ」


葉月くんはそう言うと、ゴロンとそのままベッドに寝転び布団を被る。


「うん、おやすみなさい」


私はおそるおそるその布団の中に入ると、自分も隣に寝転んだ。


ベッドサイドの電気を消すと、シーンと静まり返る寝室。


うぅ、どうしよう……。なにこの状況。


まさか、同居初日からこんなふうに一緒に寝ることになるなんて。


背中合わせとはいえ、すぐ隣に葉月くんがいると思うと落ち着かなくて眠れないよ。


チラッと後ろを振り返ると、すでにすやすやと寝息を立てているっぽい彼のうしろ姿が見える。


葉月くんは全然平気なんだなぁ。まぁ、それだけ私に興味がないってことだよね。


でも私にとってはやっぱり、男の子と二人で生活するなんてちょっと刺激が強すぎるというか。


こんなの、慣れる日なんて来るのかな。


しばらく毎日寝不足の予感しかないよ……。