ガチャっ


「はい、上がって。」


恐る恐る靴を脱いで慧くんのお家にお邪魔する。


初めて来るわけじゃないけど…というより何回も来てるけど緊張するなぁ。


だってだってだって‼︎


慧くんのお家はとっても大きいの。

おっきな門を通って噴水がある庭を抜けて、またまたおっきなドアを開けるともうお城みたい。



「お邪魔しま〜す…広いなぁ…」


「そうか?紬が小さすぎるんじゃねぇの?」



け、慧くんひどい…誰が見てもこの家が大きいのに。



「先俺の部屋いってて。お茶とか持ってくるから」



そんな、全然気を使わなくて大丈夫なのに。



「大丈夫だよ慧くん、一緒に行こう?」


「……っそれさわざと?」



ん…?なんのことだろう


「何が?私、なんかした?」


「いや…上目遣いとか、わざと紬がやるわけないよな。」


「ん、?なんて言ったの?」



身長差で聴こえないのかな?それとも耳が悪くなっちゃった?


「いや、なんでもないよ。でも紬お菓子食べたくないの?」



お、お菓子…。甘い物に目がないから聞いただけで食べたくなっちゃった。



「……慧くん、やっぱり先に行っててもいい?」



ポンッ


「わかった、大人しく待っててね?」


慧くんが私の頭をなでて言った。



「う、うんっ。」



恥ずかしいのと嬉しいのでいっぱいになって慧くんの顔を見ずに、2階にある慧くんの部屋に入った。