いつも教室出たところで待ってくれている慧くんがなぜかものすごい怖い顔をして、教室までズカズカはいってきた。



「あ、慧くん!どうし……『ちょっと、紬貰います』


「あ、どうぞどうぞ〜‼︎」


ニヤニヤしながらこっちを見るくるちゃん。


「いってらっしゃぁ〜い!」



ちょ、ちょっとぉぉ!友達を売るなんてひどいよぅ!




横にいたくるちゃんがそう言うと、私の腕を掴んだまま早足でどっかに連れていく。


「ちょ…け、慧くん速いよっ…はぁはぁ』


足の長さが違いすぎて徒競走状態の私。


運動音痴には疲れるよぅ泣




……そうして連れて行かれた4階の端っこの空き教室。人通りも少なくて誰もいない。



ガラガラガラッ……



そうして冒頭の壁ドンに至るわけなのです。



散々ムチを振ってきたと思ったら慧くんは最後の最後に甘い飴を落とし、こう言ってきました。



「紬、早く帰ろう。もちろん俺の家来るよね。」


……やっぱり慧くんは悪魔です。