次の日の朝、俺はみくるのアパートへ向かった。

「おはよう、みくる、体調はどうだ」

「社長おはようございます、体調は大丈夫です、朝食作りましたので食べてください」

俺は「お邪魔します」と言ってみくるの部屋に入った。

「旨そう、いただきます」

「社長、時間大丈夫ですか?」

「大丈夫、今日から自分の車で出社すると平野に伝えたから」

平野は俺が急に言い出した事を、なぜ?としばらく納得してくれなかった。

「ゲホッ、う、みくるお水、お水」

「社長落ち着いて食べてください」

「うん、あ〜死ぬかと思った」

みくるはふふっと笑って俺の背中をさすってくれた。

「大丈夫、ありがとうな、それからさっきから気になっていたんだが、社長じゃなくて誄でいいよ」

「呼び捨てなんて出来ません、雇われているのは変わりないですから」

「じゃあ、誄さんでどう?」

「誄さん」

「うん、いい感じ、それでいこう」

みくるは真っ赤に頬を染めて俯いた。

「やべえ、明日はもっと早く来るな、時間なくてみくると全然話出来なかった」

みくるは何か言いかけたが、言葉を飲み込んだ。

「何?話があるの?」

「だ、大丈夫です、遅刻すると大変なのでもう行ってください」

「そうか?、じゃあ行ってくるな、仕事終わったらまた寄るから」

俺はみくるの様子が気になったがひとまず会社に向かった。