時が満ちる


香りと味を誘発する言葉を発する人は誠意と真心が観える。



そう思えた葬儀に参列した。



悲しい筈の葬儀なのに・・・興奮を抑えることに必死だった。



何十年かぶりで逢った甥や姪の爽やかな表情・・



悲しい筈の葬儀の場で密かに弾んだ声で・・




「おばちゃん暫くでした。」と言う眼差しにオーロラが走った。



「わっ~綺麗だ。あれっ・・誰だっけ・・・」と



分別付かない程綺麗だった。



辛かった生活の陰りが微塵もない・・





そうだ・・こんな清々しさが滲み出たひとみちゃんだから・・



幸せを自分で編み出したものに違いない・



過ぎ去った月日がどんな過ごし方だったのかが・



一瞬で掴めた。