「ご、ごめん」
「いや、謝るなよ。余計に傷ついた」
おーちゃんはいじけたように言った。
その姿が可愛くて、こっそり顔を緩める。
洗い終わった食器を片付けると、わたしはソファを背に寄りかかるおーちゃんの隣に腰を下ろした。
「まさかそういう趣味があったとは」
「心外だな。純粋に成長を感じたかっただけだって。中学の体育祭は、見に行ってただろ。去年はそれどころじゃなかったし……。別に下心はないよ、……ちょっとしか」
……ちょっとはあるんかいっ。
思わず心の中でつっこみながら、呆れた目を向ける。
「……えっち」
「いやいや。男のロマンだから、体育着」
なんて、変なことを真面目な顔で言われて、わたしはふうん、と気のない返事をしておいた。


