おーちゃんを困らせてる。
それはわかってた。
けれど、やっぱり大人になりきれないわたしは、駄々をこねて反抗することしかできなかった。
ここで素直に頷いたからといって、……おーちゃんとの年の差が埋まることなんて、ないのだから。
「帰りたくない」
「……子供じゃないんだから」
おーちゃんのその言葉に、わたしの胸の中でなにかが弾けた。
思いきり、掴まれた手を振り払う。
「——そうだよ。わたしはもう子供じゃない!」
声を上げると、いつの間にかこみ上げていたのか、ポロ、と涙が落ちた。
おーちゃんの表情に、驚きが浮かんだ。
「……おーちゃんの、妹でもない」
俯きがちに言ったわたしはぎゅう、と手を固く握りしめる。
少し間を置いて、そうだな、と小さな声が返ってきた。


