「大人っぽいですか、わたし」
「え?」
お兄さんはぱちぱちと瞬いた。
けれどすぐに、フッと唇のふちを上げて頷く。
「うん。大人っぽいよ」
「あ、ありがとうございます……」
なだめられるように言われて、わたしは恥ずかしくなった。
つい、「おとなっぽい」に、食いついちゃった……。
頭に浮かぶのは、カフェで会ったキレイなお姉さんのことばかり。
比べては、自分のおこちゃま具合に落ち込んでいたものだから、お兄さんの言葉に、うっかり素直に喜んでしまった。
「かわいいね、キミ」
「えっ」
「ねえ……この後時間ある?」
お兄さんがわたしの肩に触れる。
そのままするりと滑るように移動して、腕を掴まれた。
「ちょっと俺に付き合ってよ」
「え、あの」
「いいから、ほら」
な、なんて強引なんだ。
半ば引き寄せられるように立ち上がると、断る暇もなく、お兄さんに連れられて——、


