ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



……ひゅ、と喉が音を立てた。

息が詰まって、わたしはおーちゃんを見上げたまま、立ち尽くした。


「ひとりにしたくないとか、かっこつけたこと、言ったけどさ」


おーちゃんはわたしの片手を取ると、その手に花束を握らせる。


「お前のいない生活とか、俺のほうが耐えらんねーの」

「……っ」


わたしは、引き寄せられた力に抗うことなく、花束と一緒に、おーちゃんの腕の中へと飛び込んだ。

しっかりと抱きしめられ、周りで、どこからか小さく歓声が上がった。


……わたしは、お姉ちゃんを傷つけたくない。

お姉ちゃんは、きちんとあのプレゼントを渡せたのかな。

おーちゃんは、お姉ちゃんの気持ちを知ったのかな。

……それとも、美月の言うように、元々気づいていたの?

返事をしてきたの?

話をつけてきたって、……わたしは、これからも、おーちゃんと一緒にいられるの?


ぐるぐると、頭の中で色々な思いが渦巻いていた。


けれど——、