ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



校庭へ出ると、門の周りには、いつかと同じように、女の子が集まっていた。

おーちゃんを遠くからチラチラと眺める子や、今度は話しかけている子までいた。


……なにアレ……。


女子高生には興味がないと言っておきながら、たじたじした様子で返事をしているおーちゃんは、まんざらでもないように見える。

と、そこまで考えて、わたしは頭を振った。


……いけない。

わたしにはもう、関係ないことだった。


「……おい、愛花」

「なあに?」

「顔がこえーよ」


康晴に言われ、わたしは慌てて表情筋を緩めた。


「ほら、行ってこい」


トン、と背中を押されて、半ば躓くようにして、一歩踏み出す。

おーちゃんの視線が、ゆっくりとこちらに向けられた。