「……それに、遠くに行っちゃえば、その内忘れられるかもしれないし……」 わたしがボソリと呟くと、美月と康晴が顔を見合わせた。 「ちょっと。それ……どういう意味?」 「遠くにって……、あの人、引っ越すのかよ」 わたしは、ゆるゆると首を振った。 「わたしとお姉ちゃん。……退院したら、叔母さんの家で暮らそうって」 「なんだよ、それ」 ガタ、と康晴が立ち上がった。 見上げれば、その表情には、驚きと困惑の色が浮かんでいる。 隣にいる美月も、同じようにショックを受けたような顔をしていた。