けれど今度は、まるで想いを託すような、力強さがあった。
「わたしね、お父さんとお母さんがいなくなって、愛花が塞ぎ込んで、どうにもできなかったとき……おーちゃんに出会って、また愛花が楽しそうに笑うようになって……。わたしに気を遣ってばかりだった愛花が、おーちゃんには、少しずつ甘えるようになったことに、すごく救われたの」
「……」
「おーちゃんのことを好きだと思う気持ちと同じくらいに、……愛花のことを任せるなら、おーちゃんしかいないとも思ってる」
「結花……」
「……わたしとの約束、覚えててくれて嬉しかった。……待っててくれて、ありがとう。わたしに気を遣わないで……自分の気持ちを、大事にしてね」
自分の、気持ち……。
ありがとう、と掠れた声で言えば、結花は満足げに微笑んで、俺から手を離した。
手に残る温もりに、まるで背中を押された気分になった。
ここに来る前に自分の中で決意したワガママな気持ちを、……告げてしまっても、いいのだろうか。
——と、そのとき、後ろでガラガラと音がした。


