朝日の眩しさに眉間のあたりでこそばゆさを感じ、俺はゆっくりと目を開けた。


……もう朝か……。


目をつむっても、ちっとも落ち着かない思考に、とうとう寝るタイミングを逃してしまった。

仕方なく起き上がり、ふあ、とあくびをする。

髪をくしゃりと搔き上げて、部屋の隅に畳んだままの布団を視界に入れた。

窓の外から、とても久しぶりに、鳥のさえずりが聞こえてきた。

何気なく時計を確認すると、いつもならとっくに家を出ている時間だった。


面会時間は、昼過ぎからだから……。

のんびり準備すれば、丁度いいだろう。


ベッドから降りると、キッチンへと向かう。

寝ぼけ眼でコップに水を汲むと、漂ってきたカレーの香りに、お腹の虫が鳴いた。


……そういえば、昨日の夜、結局食べずにいたんだった。


思い出すと食欲が湧き、俺はカレーを温め直し、盛り付けた。

テーブルへと運び、空腹を満たしたいという欲のままに、一口食べる。

モグモグと口を動かしながら、背もたれにもたれた。

……目を閉じると、「ね、おいしい?」とウキウキで聞いてくる愛花の様子が、瞼の裏に浮かび上がった。