ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-




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キッチンでグツグツと煮込むお鍋を眺めながら、わたしは隣のおーちゃんを盗み見た。

結局、わたしが今日の夜ご飯当番だったはずが、面会時間の終了ギリギリまで病院にいたせいでお腹がペコペコで、おーちゃんにもカレー作りを手伝ってもらった。

わたしは、再び視線を鍋に戻す。

グルグルとルーをかき混ぜながら、頭の中でも、叔母さんに言われたことが同じようにグルグルと回っていた。


「……おーちゃんは、わたしが叔母さんのところにいったら、安心なんだね」


口を開けば、思ったよりも拗ねたような言い方になってしまい、わたしは後悔した。


「そりゃそうだろ。……お前はまだ、大人に守られなきゃいけないんだから」

「……おーちゃんだって、大人じゃん」

「普通は、家族が守るんだよ」

「わたしの家族は、お姉ちゃんしかいないよ」

「……立石さんたちだって、家族みたいなもんだろ」


おーちゃんがため息を吐いた。


「……別に、……もう二度と会えなくなるわけじゃないんだから」