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キッチンでグツグツと煮込むお鍋を眺めながら、わたしは隣のおーちゃんを盗み見た。
結局、わたしが今日の夜ご飯当番だったはずが、面会時間の終了ギリギリまで病院にいたせいでお腹がペコペコで、おーちゃんにもカレー作りを手伝ってもらった。
わたしは、再び視線を鍋に戻す。
グルグルとルーをかき混ぜながら、頭の中でも、叔母さんに言われたことが同じようにグルグルと回っていた。
「……おーちゃんは、わたしが叔母さんのところにいったら、安心なんだね」
口を開けば、思ったよりも拗ねたような言い方になってしまい、わたしは後悔した。
「そりゃそうだろ。……お前はまだ、大人に守られなきゃいけないんだから」
「……おーちゃんだって、大人じゃん」
「普通は、家族が守るんだよ」
「わたしの家族は、お姉ちゃんしかいないよ」
「……立石さんたちだって、家族みたいなもんだろ」
おーちゃんがため息を吐いた。
「……別に、……もう二度と会えなくなるわけじゃないんだから」


