……。
……なんか、ちょっと、怒ってた……?
話、途中で終わらせちゃったからかな……。
申し訳なく思っていると、つん、と髪の毛が引っ張られる感覚がした。
導かれるように隣を見ると、おーちゃんとパチリと目が合う。
おーちゃんは、キョロキョロと周りを確認してから、——わたしをそっと抱きしめた。
「……みんなの前じゃ、こうしたくてもできなかったからな」
「……おーちゃん……」
「やったな、愛花」
とびきり優しい声が頭上で聞こえて、わたしはおーちゃんの腕の中で、うん、と鼻にかかった声を出した。
「お前が、結花の帰りを、諦めずに待ってたからだよ」
「……おーちゃんがいてくれたからできたことだよ」
「……バカ。泣かせるようなこと、言うなよ」
「そっちこそ……」
わたしを受け止めてくれているおーちゃんの胸に、頬をすり寄せる。
病室の中から、こちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。
わたしたちがさり気なく離れたのとほぼ同時に、引き戸がガラッと開かれた。


