ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



シンプルだけれど、どこか好奇心をくすぐるオーラを放っているそれに、誰に見られているでもないのに、わたしはこっそりと近づいた。

よくないことだとわかっていながらも、どうしても中身を確認したい衝動に駆られて、紙袋を覗き込む。

ラッピングが施された箱が入っていて、すぐに誰かへのプレゼントなのだとわかった。

可愛すぎないデザインから、女の子宛てのものではない可能性が頭を過ぎる。


……まさか、彼氏……?

……お姉ちゃんに彼氏がいたなんて話、わたし、聞いてない……。


もしくは、好きな人へのプレゼントなのかもしれない。

箱に添えられた小さなメッセージカードを見つけて、わたしはそっと手を伸ばしてしまった。


……ちょっとだけ……。

名前を、確認するだけ……。

だって……何も教えてくれないだなんて、水臭いよ。

お姉ちゃんが戻ってきたら、きっちり聞き出さないと……。


なんて企みながら、ふたつに折りたたまれたカードを取り出した。

少しばかり睨めっこをして、葛藤する。

けれど、やっぱり悪戯心が勝ってしまい、……わたしはとうとう、メッセージカードを開いた。