部屋の前でおーちゃんと別れ、わたしは304号室に立ち寄った。
必要なものはもうほとんどおーちゃんの家に持ち込んでしまっているから、ここへはたまにしか戻ってこない。
ましてや、お姉ちゃんの部屋に入るのなんて何ヶ月ぶりだろう。
今までは苦しい思いをしたくなくて、あえて避けていたくらいだ。
「お邪魔します……」
なんとなく、遠慮がちに足を踏み入れる。
当たり前のことだけれど、お姉ちゃんの部屋は以前と変わらず、綺麗なままだった。
本棚を一通り眺めてから、お姉ちゃんが気に入っていたであろう小説や漫画を数冊抜き取った。
その後、もう少しだけ部屋を物色させてもらい、いくつか病室に持っていけそうなものを入手する。
満足して帰ろうとしたとき、扉の陰に隠すようにして置かれた、小さな紙袋が目に留まった。


