小さい頃のわたしは、ずっとお姉ちゃんの後ろについて回っていた。 年の離れたお姉ちゃんは、わたしの目には大人びて見えて、可愛くて、優しくて、憧れだった。 お姉ちゃんみたいになりたくて、よく、同じものを欲しがっては、駄々をこねていた。 中でも、幼稚園のときに、お姉ちゃんがずっと大切にしていたウサギのぬいぐるみを、仕方なく譲ってもらったことは強く記憶に残っている。 ……そのウサギのぬいぐるみは、今のわたしにとっても、かけがえのない宝物だ。