「……やっぱりちょっと不安だから、……ハグ、して欲しい」 「……」 呆れたような目を寄越されたけれど、くじけない。 ……ハグくらい、家族だってするもん。 手を広げて待ってみると、とうとうおーちゃんが折れた。 ぎゅう、と抱きしめられると、じわじわと元気が湧いてくる。 「……無茶するなよ」 「うん」 おーちゃんがわたしを好きでいてくれるだけで、まるでなんでもできるような気持ちになれるから、不思議だ。