「……手を繋ぐくらいなら、家族だってするよね……?」


顔の半分まで布団をかぶって、遠慮がちに伺った。

要は、まだ恋人同士の関係になれない、というだけなのだから、それくらいは許されるはずだ。

わたしの質問に、おーちゃんは「そうだな」とおかしそうに笑った。


「ほら」


こちらへと伸ばされた手を、わたしはきゅっと握りしめる。

伝わってくる温かい体温に、眠気を誘われた。


——ねえ、おーちゃん。

待たせてばっかりでごめん、なんて言ってくれたけど、これまでとは全然違うよ。

おーちゃんの口から、好きをもらえただけで、こんなにもプラスな気持ちになれるんだ。


お互いに、長い間想い続けてたなんて……。


両思いになれただけでも幸せなのに、こんなのって奇跡みたいだ。


……今度こそ、待てる子にならなくちゃ。