ふたりぐらし -マトリカリア 305号室-



「……おーちゃん?」

「ん。上書き完了」


ドキドキと強く打つ鼓動に身をすくめながら、視線だけを動かした。

盗み見たおーちゃんは、わたしの首元に視線を落としたまま、満足げに唇をほころばせていた。


「これでもう、俺の痕だな」