「お前を、好きだ」


降ってきたのは、わたしがずっとずっと欲しかった言葉だった。


……おーちゃんの表情がよく見えない。


瞬きをすると、また、ぽろりと涙がこめかみを伝う。

はっきりとなった視界で、弾んだ息を整えながら見上げると、おーちゃんが切なげに目を細めた。


——今、のは……。


まるで、時間の流れがゆっくりになったみたいだ。


幻聴じゃ、ないよね……?

今……おーちゃんは、なんて言ったの?


確かめたいのに、聞き返すことさえも怖くて、わたしは何も言えなかった。

お互いに見つめあったまま、しばらく動けずにいて……。

先に言葉を発したのは、おーちゃんのほうだった。