「……おーちゃんの、妹でもない」 絞り出された声に、体が冷たくなるような感覚に襲われる。 愛花が言っているのは、俺が、自分の都合で押し付け続けてきた言葉だった。 「……そうだな」 間違っていない。 『子供だなんて、思ってないくせに』 その通りだ。 俺は愛花のことを、もう子供だなんて思ってない。 「それに、わたしはおーちゃんを、お兄ちゃんだなんて思ってない」 俺だって、本当に愛花の兄貴でいるつもりなんて、これっぽっちもないんだ。 でも……。