「んな顔するなって。大丈夫だよ、俺しか知らないからさ」 萩原の言葉に、俺は目を丸くする。 「杉本さん、ちゃんとこっそり報告してくれたから」 「……お前だけに?」 ふたりって、そんなに仲よかったか? 怪訝な顔をすると、萩原が決まり悪く目を泳がせる。 その様子に、俺はピンときてしまった。 「……あのさ」 「ん?」 「俺、酔ってたせいで、店を出るときの記憶がなかったんだよね。だから、どうして杉本さんと一緒にいるのかわからなったんだけど、……お前、もしかして」 「……」 「謀ったな」